重婚
2004年2月2日 久しぶりにHさんに会った。
Hさんはついこの前、若い彼女と別れたばかりの妻子もち。
仕事でとても忙しいと聞いていた。
飲みの約束をしては来週、また来週と延びている。
先週あたりに温厚な彼もついに「明朝は爆発するぞ」と宣言したのを最後に、連絡が途絶えたままになっていた。
都庁の下にある公園に彼はいた。
−最近、奥さんが増えちゃってね。
彼は私にこう言った。
−あれ、Hさん、今の奥さんは?
−それとは別に、もう一人。一週間ごとに通わないといけないんだ。
−それじゃあ大変でしょう。
なかなか飲みにいけない理由がやっとわかった。
やがてクルマが到着した。
いつくるかわからない再会に対して「また今度」と言いながら、彼を見送った。
Hさんはついこの前、若い彼女と別れたばかりの妻子もち。
仕事でとても忙しいと聞いていた。
飲みの約束をしては来週、また来週と延びている。
先週あたりに温厚な彼もついに「明朝は爆発するぞ」と宣言したのを最後に、連絡が途絶えたままになっていた。
都庁の下にある公園に彼はいた。
−最近、奥さんが増えちゃってね。
彼は私にこう言った。
−あれ、Hさん、今の奥さんは?
−それとは別に、もう一人。一週間ごとに通わないといけないんだ。
−それじゃあ大変でしょう。
なかなか飲みにいけない理由がやっとわかった。
やがてクルマが到着した。
いつくるかわからない再会に対して「また今度」と言いながら、彼を見送った。
花を挿す
2004年2月1日 都内の花屋にいた。
少し華道めいた花屋だった。
友人に贈る花を選んでいた。
ガラスの大きな丸いボールを花瓶に選んだ。
とても薄い。簡単に割れてしまいそうだ。
そこへ椿の花を挿してみた。
頭の重い枝はバランスが悪く、ボールの中で自由になった枝が動いてしまって、今にも倒れそうだった。
ガラスのボールの中に、陶器でできた細長い花瓶をいれ、そこへ椿を挿すことにした。
その花瓶とガラスの花瓶の隙間を埋めるのには、鶏卵サイズの繭を使用する。
繭は白地に薄い水色の模様が入っていて、陶器の色とよくあっていた。
ひとつずつ、丁寧に作品を仕上げるようにつめていき、ほどよいところで水に浸すことにした。
それまでふわふわとしていた繭は、水に浸ったことで変形し、色を濃くしていた。
繭の中の虫は死んでしまっただろうか・・・。
少し華道めいた花屋だった。
友人に贈る花を選んでいた。
ガラスの大きな丸いボールを花瓶に選んだ。
とても薄い。簡単に割れてしまいそうだ。
そこへ椿の花を挿してみた。
頭の重い枝はバランスが悪く、ボールの中で自由になった枝が動いてしまって、今にも倒れそうだった。
ガラスのボールの中に、陶器でできた細長い花瓶をいれ、そこへ椿を挿すことにした。
その花瓶とガラスの花瓶の隙間を埋めるのには、鶏卵サイズの繭を使用する。
繭は白地に薄い水色の模様が入っていて、陶器の色とよくあっていた。
ひとつずつ、丁寧に作品を仕上げるようにつめていき、ほどよいところで水に浸すことにした。
それまでふわふわとしていた繭は、水に浸ったことで変形し、色を濃くしていた。
繭の中の虫は死んでしまっただろうか・・・。
少し違う日常
2004年1月28日 道路の反対側に以前の客が集団で歩いていた。
昼食を食べるために店に入ると、彼らもいた。
こちらに気がついているんだろうか。
食事を終えて店を出ようとすると、少し離れた席にKさんがいた。私に気がついていたらしく、腕をつかんで呼び止められた。
外に出ると雨上がりの快晴だった。
空気が気持ちよい。
私は折りたたみの傘を簡単に畳んで歩いた。
会社でふと気がつくと夜が明けていた。
徹夜をしてしまったらしい。
カフェラテでも買いに行かないか、と近くの同僚に声をかける。
自宅の壁にかけてある大きな鏡があったので、そこで顔を映してみると、どうやら化粧も落ちてしまったらしくすっぴんであった。
昼食を食べるために店に入ると、彼らもいた。
こちらに気がついているんだろうか。
食事を終えて店を出ようとすると、少し離れた席にKさんがいた。私に気がついていたらしく、腕をつかんで呼び止められた。
外に出ると雨上がりの快晴だった。
空気が気持ちよい。
私は折りたたみの傘を簡単に畳んで歩いた。
会社でふと気がつくと夜が明けていた。
徹夜をしてしまったらしい。
カフェラテでも買いに行かないか、と近くの同僚に声をかける。
自宅の壁にかけてある大きな鏡があったので、そこで顔を映してみると、どうやら化粧も落ちてしまったらしくすっぴんであった。
結婚式とテロリスト
2004年1月18日 リストランテにいた。
よく育った緑が、建物に溶け込んでいる様子が室内からでもわかる。
私はチューブトップのウエストが強調された白いドレスを着て、外を見ていた。
見学に来ただけのつもりが、とんとん拍子で式を挙げることになってしまった。
どうせだから入籍も今日済ましてしまおう。
会社や役所など、事前の報告が必要なところは多分なかっただろうか。
苗字が変わると確定申告が面倒だな・・・。
そう考えながら、外の景色を眺めていた。
−−−
「スカイライン」と呼ばれる有料道路の料金所を通った。
私はポルシェを運転していて、クラッチを痛めないように気を使ってアクセルをあけるようにしていた。
料金を支払い、目的の場所へと上り坂を登っていく。
約束していた友人の実家に一人で向かっていた。
山の中腹にある駐車場にクルマを停め、バスに乗って商店街へと向かった。
友人に教わったはずなのに、なぜか実家の場所を思い出せない。いつもならPDAに地図の画像を入れておくはずなのに、今日はない。
そうか、友達が紙にメモしたのだっけ。
一番近いお店に入って、場所を聞くことにした。
お店は入り口には汚れたシーズーがいて、目をむいてこちらを見ていた。障子の向こうの部屋に向かって声をかけると、障子があいて、奥の部屋が見えた。私より少し年上の女性とその両親らしき老人がくつろいでいた。女性がでてきて、どてらをひっかけながら、私の目的の場所まで連れて行ってくれると言う。
目的の場所は一番奥にあった。
そういえば友人もそう言っていた。
用事が済むと、私は電車に乗って東京へ戻った。
姉と約束したスーパーへ向かった。
これからここであることをしなくてはいけない。
大騒ぎになるだろう。
つかまらないように、練りに練った計画と、状況を判断して素早く行動しないといけない。頭の中で何度もシミュレーションを行う。
成功すればこの店の悪事が1つ、世に公開されることになる。
姉が来る前にざっと下見をすましておく。
ふと、背の高いやせ細った男が付いてきていることに気が付いた。
約束の時間になっても姉はまだ来ない。
携帯から電話をすると、30分ほど遅れると言う。
一人で始めてしまおうかと言うと、それは危険だからやめておこうと言う。
日を改めて決行することになった。
家に戻り、飲み物を飲みながら、長野に行かなくてはいけなかったことを思い出す。
クルマを取りに行かなくてはいけない。
電車で行くのであれば、ラッシュが始まる前には家を出なくては。
時計を見ると、もう16時を過ぎていた。
よく育った緑が、建物に溶け込んでいる様子が室内からでもわかる。
私はチューブトップのウエストが強調された白いドレスを着て、外を見ていた。
見学に来ただけのつもりが、とんとん拍子で式を挙げることになってしまった。
どうせだから入籍も今日済ましてしまおう。
会社や役所など、事前の報告が必要なところは多分なかっただろうか。
苗字が変わると確定申告が面倒だな・・・。
そう考えながら、外の景色を眺めていた。
−−−
「スカイライン」と呼ばれる有料道路の料金所を通った。
私はポルシェを運転していて、クラッチを痛めないように気を使ってアクセルをあけるようにしていた。
料金を支払い、目的の場所へと上り坂を登っていく。
約束していた友人の実家に一人で向かっていた。
山の中腹にある駐車場にクルマを停め、バスに乗って商店街へと向かった。
友人に教わったはずなのに、なぜか実家の場所を思い出せない。いつもならPDAに地図の画像を入れておくはずなのに、今日はない。
そうか、友達が紙にメモしたのだっけ。
一番近いお店に入って、場所を聞くことにした。
お店は入り口には汚れたシーズーがいて、目をむいてこちらを見ていた。障子の向こうの部屋に向かって声をかけると、障子があいて、奥の部屋が見えた。私より少し年上の女性とその両親らしき老人がくつろいでいた。女性がでてきて、どてらをひっかけながら、私の目的の場所まで連れて行ってくれると言う。
目的の場所は一番奥にあった。
そういえば友人もそう言っていた。
用事が済むと、私は電車に乗って東京へ戻った。
姉と約束したスーパーへ向かった。
これからここであることをしなくてはいけない。
大騒ぎになるだろう。
つかまらないように、練りに練った計画と、状況を判断して素早く行動しないといけない。頭の中で何度もシミュレーションを行う。
成功すればこの店の悪事が1つ、世に公開されることになる。
姉が来る前にざっと下見をすましておく。
ふと、背の高いやせ細った男が付いてきていることに気が付いた。
約束の時間になっても姉はまだ来ない。
携帯から電話をすると、30分ほど遅れると言う。
一人で始めてしまおうかと言うと、それは危険だからやめておこうと言う。
日を改めて決行することになった。
家に戻り、飲み物を飲みながら、長野に行かなくてはいけなかったことを思い出す。
クルマを取りに行かなくてはいけない。
電車で行くのであれば、ラッシュが始まる前には家を出なくては。
時計を見ると、もう16時を過ぎていた。
戦闘機と漁
2004年1月16日 仕事のできるMさんと重役が一緒にいた。
時間がきた。
Mさんたちと移動を始めようとした。
階段を下りようとしたところで、戦闘機ポーターが近づいてくるのが見えた。
I社の戦闘機だった。
Mさんは気にせずに階段を下りようとしたので、声をかけて立ち止まった。
−待ってください。知り合いかもしれないです
人が下りてくるのが見えたが、マスクで顔が良く見えない。
少し時間もあるので階段を下りずに温泉に入ることにした。
足湯だけのつもりが意外と深い。
私ははいているスカートが濡れないように、精一杯持ち上げる。まるで水着とパレオかと思うほどに、足の付け根ぎりぎりまで持ち上げていた。
気がつくと近くに母もいる。
母がお茶を出してくれた。
足湯の湯船の先には漁船がとまっていた。
私の手には星型の銛があった。
顔に深いしわを刻んだ老人が、体中の力をふりしぼって船に登った。これから最後の漁に出かけると言う。
時間がきた。
Mさんたちと移動を始めようとした。
階段を下りようとしたところで、戦闘機ポーターが近づいてくるのが見えた。
I社の戦闘機だった。
Mさんは気にせずに階段を下りようとしたので、声をかけて立ち止まった。
−待ってください。知り合いかもしれないです
人が下りてくるのが見えたが、マスクで顔が良く見えない。
少し時間もあるので階段を下りずに温泉に入ることにした。
足湯だけのつもりが意外と深い。
私ははいているスカートが濡れないように、精一杯持ち上げる。まるで水着とパレオかと思うほどに、足の付け根ぎりぎりまで持ち上げていた。
気がつくと近くに母もいる。
母がお茶を出してくれた。
足湯の湯船の先には漁船がとまっていた。
私の手には星型の銛があった。
顔に深いしわを刻んだ老人が、体中の力をふりしぼって船に登った。これから最後の漁に出かけると言う。
新年会
2004年1月8日 今日は新年会だ。
みんなでお店に集まっている。
お店は古い木造で、天井が高い。
柱や床の重い色は店の中を暗くし、北国を思わせる。
たたきをあがって廊下の反対側がすぐ予約した個室だ。
天井が高い分、扉も高い。
年配の人たちはすでに集まっている様子だった。
部屋は広く、30人は入れるだろうか。
掘りごたつのように、机の下は下がっている。
そこへ中国人女性が3人、どやどやとやってきた。
GさんやCさんと、中国オフィスのあれは多分CHだろうか。
Gさんが土足で上がってきた。
「これは土足でもいいんですよ!」
Gさんが相変わらずトリガラみたいに口を尖らせて叫ぶ。
CHは日本に住んだことがないのだから、しきたりを当然知らない。Gの言うことが違うとはわからないまま、土足でずかずかと上がってしまう。
後ろからCさんが困った顔をして見ている。
Gさんがまたいい加減なことを言っているが、それを遮ることもできず、かといって土足であがることもできずにいるようだ。小さな声で否定しているようだが、Gさんやお店の人の制止の声でよく聞こえない。
相変わらずのGさんの様子に、みんな笑っていた。
みんなでお店に集まっている。
お店は古い木造で、天井が高い。
柱や床の重い色は店の中を暗くし、北国を思わせる。
たたきをあがって廊下の反対側がすぐ予約した個室だ。
天井が高い分、扉も高い。
年配の人たちはすでに集まっている様子だった。
部屋は広く、30人は入れるだろうか。
掘りごたつのように、机の下は下がっている。
そこへ中国人女性が3人、どやどやとやってきた。
GさんやCさんと、中国オフィスのあれは多分CHだろうか。
Gさんが土足で上がってきた。
「これは土足でもいいんですよ!」
Gさんが相変わらずトリガラみたいに口を尖らせて叫ぶ。
CHは日本に住んだことがないのだから、しきたりを当然知らない。Gの言うことが違うとはわからないまま、土足でずかずかと上がってしまう。
後ろからCさんが困った顔をして見ている。
Gさんがまたいい加減なことを言っているが、それを遮ることもできず、かといって土足であがることもできずにいるようだ。小さな声で否定しているようだが、Gさんやお店の人の制止の声でよく聞こえない。
相変わらずのGさんの様子に、みんな笑っていた。
新年会
2003年12月31日 有名人ばかりが集まっていた。
座敷に低い机が並べてあり、私は足を崩して座っていた。うまくて有名な醤油を持ってきた人もいた。
私は水着に着替えることになった。
以前旅行先で購入した水色のビキニしか持っていない。
色は非常に気に入っているのだが、ショーツのサイズが大きいため、姉にあげてしまったものだった。姉がこの年末の旅行へ持っていったはずだった。
着替えて立ち上がってみたが、評判が悪い。
ボクが少々しぼってあげよう、と言う人もいる。皮肉屋の人にいたっては、ひどいことを言う。
どこをしぼるんだ、とちょっとむっとするが、顔に出さないようにして笑ってギャグで返す。
まあ、もっときれいないプロの水着姿を見慣れている人たちだからしょうがないんだろうな。
ところが着替えて席に着いた途端、それまで離れた席に座っていた見知らぬ人たちがやってきては声をかけていく。うまいものを食えと進められる。
仲のいい男性に、そんなに私の水着姿はみっともなかったのかと聞くと、そんなことはないと言う。悪口を言った人たちは、私の気をひくために言っていただけらしい。
座敷に低い机が並べてあり、私は足を崩して座っていた。うまくて有名な醤油を持ってきた人もいた。
私は水着に着替えることになった。
以前旅行先で購入した水色のビキニしか持っていない。
色は非常に気に入っているのだが、ショーツのサイズが大きいため、姉にあげてしまったものだった。姉がこの年末の旅行へ持っていったはずだった。
着替えて立ち上がってみたが、評判が悪い。
ボクが少々しぼってあげよう、と言う人もいる。皮肉屋の人にいたっては、ひどいことを言う。
どこをしぼるんだ、とちょっとむっとするが、顔に出さないようにして笑ってギャグで返す。
まあ、もっときれいないプロの水着姿を見慣れている人たちだからしょうがないんだろうな。
ところが着替えて席に着いた途端、それまで離れた席に座っていた見知らぬ人たちがやってきては声をかけていく。うまいものを食えと進められる。
仲のいい男性に、そんなに私の水着姿はみっともなかったのかと聞くと、そんなことはないと言う。悪口を言った人たちは、私の気をひくために言っていただけらしい。
マラソン大会
2003年12月29日 今日はマラソン大会だ。
「ボク」は一人で走っていた。
息が白い。
公園の中を走っていた。
周りには誰もいない。
もしかしてコースを外れてしまったんだろうか?
屋根のある場所に差し掛かった。
そこには悪いおじさんたちがいた。
黒いメガネをかけていて、黒い洋服を着ている。頭がはげてる人もいる。
おじさんのひとりが「ボク」に気が付いてしまった。
「ボク」に近づこうとしたので、「ボク」はぎゅっと目をつぶって、次の瞬間、加速して走り出した。
−だいじょぶ。「ボク」は子供だから、きっと殺されない。
ようやく先生や友達のいるゴールが見えてきた。
あそこまで行けばきっと安全だ。
「ボク」は一人で走っていた。
息が白い。
公園の中を走っていた。
周りには誰もいない。
もしかしてコースを外れてしまったんだろうか?
屋根のある場所に差し掛かった。
そこには悪いおじさんたちがいた。
黒いメガネをかけていて、黒い洋服を着ている。頭がはげてる人もいる。
おじさんのひとりが「ボク」に気が付いてしまった。
「ボク」に近づこうとしたので、「ボク」はぎゅっと目をつぶって、次の瞬間、加速して走り出した。
−だいじょぶ。「ボク」は子供だから、きっと殺されない。
ようやく先生や友達のいるゴールが見えてきた。
あそこまで行けばきっと安全だ。
来てはいけない場所
2003年12月25日 来てはいけない場所へ来た。
郊外のとある街外れにいた。
背の高いやせ細った木のてっぺんが壁の向こうに数本見える。
地面は薄い茶色い土。
それとも街自体がセピア色をしているのか。
宗教の色が強い。
音楽が聞こえる。
目の前は行く手をさえぎるように細い建物が建っている。
屋上には子供。いや、若い青年か?
その下はガラス張りになっている。
そこには屈強な鬼がずらり。
手には銃を携えている。
動いた。
マネキンだと思ったのは、その無機質な目のせいだ。
音もなく銃口を向け、発砲した。
来てはいけない場所に来てしまった。
郊外のとある街外れにいた。
背の高いやせ細った木のてっぺんが壁の向こうに数本見える。
地面は薄い茶色い土。
それとも街自体がセピア色をしているのか。
宗教の色が強い。
音楽が聞こえる。
目の前は行く手をさえぎるように細い建物が建っている。
屋上には子供。いや、若い青年か?
その下はガラス張りになっている。
そこには屈強な鬼がずらり。
手には銃を携えている。
動いた。
マネキンだと思ったのは、その無機質な目のせいだ。
音もなく銃口を向け、発砲した。
来てはいけない場所に来てしまった。
朝焼け
2003年12月22日 きれいな朝焼けが遠くに見える。
山の中にある宿泊施設に仲間といた。
赤や青、オレンジの織り成す空が山や木のすきまから見える。
頭上にはさらに見晴らしのよい場所に立つ旅館がある。
気が付くとすでに夜になっていた。
頭上の旅館は景観を売り物にしているのであろう。壁際に沿って、細長い造りになっている。
山の中にある宿泊施設に仲間といた。
赤や青、オレンジの織り成す空が山や木のすきまから見える。
頭上にはさらに見晴らしのよい場所に立つ旅館がある。
気が付くとすでに夜になっていた。
頭上の旅館は景観を売り物にしているのであろう。壁際に沿って、細長い造りになっている。
みどりの窓口
2003年12月16日 田町駅に向かっていた。
クルマをひとまずどこかに置いて、構内を急ぎ足で進む。
後ろからは音信絶えて久しい友人Sがついてくる。
新幹線のチケットを買うには?
切符売場に行かないといけない?
でもここは改札の中だ。出られない。
あたりを見渡すと、緑色の照明が目に入った。
−あったよ、みどりの窓口だ。
人が溢れて空きっぱなしになった自動ドアの向こうには窓口が二つあり、白髪の男性が一人で対応している。
−この辺に駐車場はないですか?
何か返答されるが、訛っているのか、早口なのか、男性の言うことはわからない。
−R246沿いの高架下ですか?
男性はうなづいた。
Sがクルマを置きに行くと言う。
その間に私はチケットを購入するということで、SのIDを渡される。
写真付きのIDを窓口で渡して、23時発のチケットが欲しいと言うと、間に合うかわからないと言う。
それでもいい、と購入した。
みどりの窓口を出る。
ちょうど前からSがやってきて、二人で改札へと向かう。
2階にスタバが見えてきた。
コーヒーを購入したいが、時間はない。
車内販売で買うことにしよう。
改札には卓上の電光掲示板があり、現時刻と新幹線の発車案内を表示している。
間に合わなければ23時10分発に乗ろう。
現地では先に集合した集団が、整列に時間がかかるだろう。その間に到着してしまえばいいんだ。
クルマをひとまずどこかに置いて、構内を急ぎ足で進む。
後ろからは音信絶えて久しい友人Sがついてくる。
新幹線のチケットを買うには?
切符売場に行かないといけない?
でもここは改札の中だ。出られない。
あたりを見渡すと、緑色の照明が目に入った。
−あったよ、みどりの窓口だ。
人が溢れて空きっぱなしになった自動ドアの向こうには窓口が二つあり、白髪の男性が一人で対応している。
−この辺に駐車場はないですか?
何か返答されるが、訛っているのか、早口なのか、男性の言うことはわからない。
−R246沿いの高架下ですか?
男性はうなづいた。
Sがクルマを置きに行くと言う。
その間に私はチケットを購入するということで、SのIDを渡される。
写真付きのIDを窓口で渡して、23時発のチケットが欲しいと言うと、間に合うかわからないと言う。
それでもいい、と購入した。
みどりの窓口を出る。
ちょうど前からSがやってきて、二人で改札へと向かう。
2階にスタバが見えてきた。
コーヒーを購入したいが、時間はない。
車内販売で買うことにしよう。
改札には卓上の電光掲示板があり、現時刻と新幹線の発車案内を表示している。
間に合わなければ23時10分発に乗ろう。
現地では先に集合した集団が、整列に時間がかかるだろう。その間に到着してしまえばいいんだ。
海月
2003年12月15日 頭を上げる。
無数のくらげが漂っている。
輪になって、踊っているかのように、ぷかぷかと漂っている。
揃っていない動きで上下するたびに、端がめくれていた。
自分が海の中にいて、海面近くにいるくらげを見ているのだと気が付いた。
肉感的な鮫がやってきた。
どうしてやつらは黒目がちな目をしていて、しかも下あごがああもふっくらしているんだろう。
鮫はくらげの輪の中に入ってきた。
一部が乱れただけで、くらげはまだ輪になってぷかり、ぷかりと揺れている。
くらげは生き物ではなかったのだっけ?
そう思ったときに、ばちっと音がした。
くらげが鮫に電気を放ったようだ。
私もすっと海に潜った。
無数のくらげが漂っている。
輪になって、踊っているかのように、ぷかぷかと漂っている。
揃っていない動きで上下するたびに、端がめくれていた。
自分が海の中にいて、海面近くにいるくらげを見ているのだと気が付いた。
肉感的な鮫がやってきた。
どうしてやつらは黒目がちな目をしていて、しかも下あごがああもふっくらしているんだろう。
鮫はくらげの輪の中に入ってきた。
一部が乱れただけで、くらげはまだ輪になってぷかり、ぷかりと揺れている。
くらげは生き物ではなかったのだっけ?
そう思ったときに、ばちっと音がした。
くらげが鮫に電気を放ったようだ。
私もすっと海に潜った。
馬
2003年12月14日 褐色の馬がいた。
背の高さは自分よりも少し高い程度だ。
これからこの馬に乗らなくてはいけない。
狭い部屋の中で、馬の近くに立つ。
顔を両手で挟んで、馬に話しかけていた。
気持ちは通じ合った。感触がある。
鞍もかけていない馬に乗り、オーバルコースを周る。
手を伸ばせば届くような距離で他の騎手がこちらを見ている。
背の高さは自分よりも少し高い程度だ。
これからこの馬に乗らなくてはいけない。
狭い部屋の中で、馬の近くに立つ。
顔を両手で挟んで、馬に話しかけていた。
気持ちは通じ合った。感触がある。
鞍もかけていない馬に乗り、オーバルコースを周る。
手を伸ばせば届くような距離で他の騎手がこちらを見ている。
結婚式
2003年12月13日 Nの結婚式が始まる。
由緒正しい旅館にいた。
畳で続く廊下を渡り、奥の座敷へと足を運ぶ。
私は付け下げを着ていた。
旅館の造りはどうなっているのか、廊下は庭に面することなく外の光を取り入れている。
受付と思われる場所へ着いた。
年寄りの旅館でも偉い人間なのだろう、男性が、私の席を教えてくれる。
やはり一番前の席だった。
始まるまでに少しだけ時間がある。
帯を緩めておこう。
ふと、お祝いのお金を忘れたことに気がついた。
一度解いた帯はなかなかうまく巻けず、焦ってしまう。
母の若い頃の姿を遠くから見ていた。
テレビでも見るかのように。
化繊のワンピースをきて、髪を結い上げ、知らない男性の前で頬を赤く染めている。
その場面を今の父に見られてしまう。
そのまま離婚となってしまった。
一連の流れはまるでテレビの再現ドラマのようで現実味が全くないままであった。
父が一人で生活していた。
毎日何もしないで暮らしていると言う。
実家で飼っている犬をどうしてもひきとりたいと、ぼろぼろと泣きながらBへ話す。
由緒正しい旅館にいた。
畳で続く廊下を渡り、奥の座敷へと足を運ぶ。
私は付け下げを着ていた。
旅館の造りはどうなっているのか、廊下は庭に面することなく外の光を取り入れている。
受付と思われる場所へ着いた。
年寄りの旅館でも偉い人間なのだろう、男性が、私の席を教えてくれる。
やはり一番前の席だった。
始まるまでに少しだけ時間がある。
帯を緩めておこう。
ふと、お祝いのお金を忘れたことに気がついた。
一度解いた帯はなかなかうまく巻けず、焦ってしまう。
母の若い頃の姿を遠くから見ていた。
テレビでも見るかのように。
化繊のワンピースをきて、髪を結い上げ、知らない男性の前で頬を赤く染めている。
その場面を今の父に見られてしまう。
そのまま離婚となってしまった。
一連の流れはまるでテレビの再現ドラマのようで現実味が全くないままであった。
父が一人で生活していた。
毎日何もしないで暮らしていると言う。
実家で飼っている犬をどうしてもひきとりたいと、ぼろぼろと泣きながらBへ話す。
友達以上
2003年12月8日 高校生のときの友人、Mがいた。
彼とは男女を意識した仲のようであり、そうではなくもあり、夢に見るまでは忘れているくらいの友人であった。
私には他に好きな人がいたし、彼は自分が女の子に人気があることを知りながらそれを無視しているような人だった。
Mは有名な個性派女優と一緒にいた。
私たちは数人のグループで何かの命題を与えられて、それをこなすために一緒にいるだけの仲間にすぎなかった。
彼が外に出ることになった。当然のようにその女優も一緒に出かける。
私はそれが悲しくて、でも自分が彼を責めることはできなくて、困っていた。
女優が先に部屋を出た。
私はMに「抱きしめて欲しい」と言った。
それを声に出したのか、目で訴えのかはわからない。
Mは驚きもせず、私を優しく抱き寄せた。
二人の体はもともと一つだったみたいにぴったりと重なって、私は満足して目を閉じた。
そして彼は女優と出かけていった。
マンションの部屋の窓から彼らを見送った。
夜とはいえ、周りは明るく、人通りも多い。
彼は私が上から見ていることを知っていたかのように振り返ってこちらを見た。
そこへBのクルマが戻ってきた。
路肩に停めようとするクルマのヘッドライトを目で追いかけていた。
目が覚めてから、彼のことを好きだったんだと自覚した。10年も経っているのに。
新しい駅ができていた。
50メートルはあるだろうか。幅の広い階段が高く続いている。
上へ行くほど階段の幅が少しだけ狭まっているようだ。
全体的にオレンジ色の作りで、溶岩でもモチーフにしたかのような作りだ。
海が近いからそういうテーマなのだろうか。
新橋から出ているモノレールの駅の一つだと言う。
私は階段を昇った。かなりの段数がある。
昇りきると、右手に改札が見えた。
彼とは男女を意識した仲のようであり、そうではなくもあり、夢に見るまでは忘れているくらいの友人であった。
私には他に好きな人がいたし、彼は自分が女の子に人気があることを知りながらそれを無視しているような人だった。
Mは有名な個性派女優と一緒にいた。
私たちは数人のグループで何かの命題を与えられて、それをこなすために一緒にいるだけの仲間にすぎなかった。
彼が外に出ることになった。当然のようにその女優も一緒に出かける。
私はそれが悲しくて、でも自分が彼を責めることはできなくて、困っていた。
女優が先に部屋を出た。
私はMに「抱きしめて欲しい」と言った。
それを声に出したのか、目で訴えのかはわからない。
Mは驚きもせず、私を優しく抱き寄せた。
二人の体はもともと一つだったみたいにぴったりと重なって、私は満足して目を閉じた。
そして彼は女優と出かけていった。
マンションの部屋の窓から彼らを見送った。
夜とはいえ、周りは明るく、人通りも多い。
彼は私が上から見ていることを知っていたかのように振り返ってこちらを見た。
そこへBのクルマが戻ってきた。
路肩に停めようとするクルマのヘッドライトを目で追いかけていた。
目が覚めてから、彼のことを好きだったんだと自覚した。10年も経っているのに。
新しい駅ができていた。
50メートルはあるだろうか。幅の広い階段が高く続いている。
上へ行くほど階段の幅が少しだけ狭まっているようだ。
全体的にオレンジ色の作りで、溶岩でもモチーフにしたかのような作りだ。
海が近いからそういうテーマなのだろうか。
新橋から出ているモノレールの駅の一つだと言う。
私は階段を昇った。かなりの段数がある。
昇りきると、右手に改札が見えた。
公衆浴場
2003年12月3日 公衆浴場にいた。
私は洗い場で体を洗っているところだった。
右手方向からボールが跳ねてきた。
バレーボールくらいの大きなボールだった。
ひとつ、またひとつと投げられてくる。
私には当たらない。
ボールを投げている人を私は知っている。
床を跳ねてくるボール。
どの方向へ跳ねるのかがわからないので、少し身構えながら、
それでも何事もないように私は座っていた。
そのうちSくん(年下の男性)が入ってきた。
−あ、こっちは女の人だっけ。でも、ま、いっか。
あれえ。
自分は風呂場にいるのだから、裸なんだろう。
男性に見られてもいいものだっけ・・・?
そんなことを考えていた。
私は洗い場で体を洗っているところだった。
右手方向からボールが跳ねてきた。
バレーボールくらいの大きなボールだった。
ひとつ、またひとつと投げられてくる。
私には当たらない。
ボールを投げている人を私は知っている。
床を跳ねてくるボール。
どの方向へ跳ねるのかがわからないので、少し身構えながら、
それでも何事もないように私は座っていた。
そのうちSくん(年下の男性)が入ってきた。
−あ、こっちは女の人だっけ。でも、ま、いっか。
あれえ。
自分は風呂場にいるのだから、裸なんだろう。
男性に見られてもいいものだっけ・・・?
そんなことを考えていた。
結婚式
2003年12月1日 3月に結婚した女友達が横にいた。
これから結婚式だと言う。
新郎はここからは少し離れた場所に見える。
人が多く、こちらが観客席だとすると新郎のいるところはまるで舞台だ。
仰々しい儀式が続くあいだ、女友達は新郎の横には並ばず、目立たないままでいた。
新郎の叔父が何かを始めた。
客の視線が彼に注がれ、注目される。
有名な歯医者らしい。
ふと、時計を見る。
まだ午前中だ。
会社に電話を入れる。
講師を務める予定のセミナーは14時からだ。今日は休むわけにはいかない。
−すいません、午前中に友達の結婚式がありまして・・・
なんてバカげた理由だ。
そう思いながら目が覚めた。
これから結婚式だと言う。
新郎はここからは少し離れた場所に見える。
人が多く、こちらが観客席だとすると新郎のいるところはまるで舞台だ。
仰々しい儀式が続くあいだ、女友達は新郎の横には並ばず、目立たないままでいた。
新郎の叔父が何かを始めた。
客の視線が彼に注がれ、注目される。
有名な歯医者らしい。
ふと、時計を見る。
まだ午前中だ。
会社に電話を入れる。
講師を務める予定のセミナーは14時からだ。今日は休むわけにはいかない。
−すいません、午前中に友達の結婚式がありまして・・・
なんてバカげた理由だ。
そう思いながら目が覚めた。
蛙
2003年11月24日 学校にいた。
下駄箱の並ぶ暗がりにいた。
周りには知ってるけど知らない人たちがいた。
私を囲むでもなく、でもぐるりと周りにいる。
手のひらですっぽり包んでしまえるくらいのサイズでメガホンの形をしているものを渡された。
黒いゴムのような弾力を持っている。
周りの空気の流れでは、私はそれを食べなくてはいけないらしい。
メガホンの小さい口の方を手で押さえないと広がってしまう。
年寄りにそっと手を離さないようにと渡される。
自分にはメガホンで言う口を当てる部分しか見えない。
ふと、待てよ と思ってひっくり返してみた。
ラッパみたいに広がっているところから中身を見ると、蛙がいた。
蛙の体は裂け、白くてみずみずしい肉が見えている。
これはちょっと食べられないよなあ・・・と思って躊躇していた。
下駄箱の並ぶ暗がりにいた。
周りには知ってるけど知らない人たちがいた。
私を囲むでもなく、でもぐるりと周りにいる。
手のひらですっぽり包んでしまえるくらいのサイズでメガホンの形をしているものを渡された。
黒いゴムのような弾力を持っている。
周りの空気の流れでは、私はそれを食べなくてはいけないらしい。
メガホンの小さい口の方を手で押さえないと広がってしまう。
年寄りにそっと手を離さないようにと渡される。
自分にはメガホンで言う口を当てる部分しか見えない。
ふと、待てよ と思ってひっくり返してみた。
ラッパみたいに広がっているところから中身を見ると、蛙がいた。
蛙の体は裂け、白くてみずみずしい肉が見えている。
これはちょっと食べられないよなあ・・・と思って躊躇していた。