ひよこ

2003年11月11日
研究所にいた。
これから学生と一緒にある研究を始めなくてはいけない。
薄暗い研究室に一人の男子学生がいた。
とはいっても、院生なのだろう。大して自分と年齢は変わらないように見える。
彼は手にふわふわとした球体を片手に持って、作業をしていた。
薄く黄色がかった白い毛の塊。中がくりぬかれている。

−コットンはひよこからできていますからね。
そうだ、その塊はひよこ。
もともと生きていたひよこだ。

彼はひよこの頭を下にして左手に持ち、右手で足のほうからくるくると包帯を解くようにほどいていく。
ひよこの片足がひからびてついている。

学生はふと、彼の前にある実験机の上になにかをこぼしてしまった跡があることに気がついた。
左手の本体でぽん、ぽんとその液体をたたくと、きれいになくなってしまった。
 ほんとにコットンなのだな、と思って見ていた。

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