戦と女学校

2003年10月1日
 協力者である夫婦の民家にいた。
 時代は戦国時代。
 これから戦が始まる。
 父や兄にはもう会えないかもしれない。

 非常にあわただしく、緊張した空気が流れている。
 私の周りから人の気配がなくなった。私が最後になったらしい。私のそばには白髪交じりの女性だけがいて、私の手紙は父たちに渡しておくから、早く出るようにと言う。
 部屋のかげに男性がいて、どうやら彼女の夫らしい。渡辺さまはもうお出になられたのか?と会話している。私の父は「渡辺さま」と呼ばれているようだ。
 私の父からの手紙を渡される。
 別の出口で父はすでに騎乗しているのだろう。
 
 手紙というよりはメッセージカードのような見開きのものである。開いて読もうとすると、先ほどの男性が外で大きな声を出している。いや、いませんよ!
 それを聞いて女性が私をせかす。敵が来たらしい。
 玄関へと進むと、先ほどの声をもっと近くに感じる。そっと物陰へ隠れる。
 戦わずしてここで命を落とすのか?
 心臓が高鳴るのを感じているが、どこか冷静なままでいた。
 女性が今なら行けると言う。隙を見て急いで草履のような履物を履き、馬にまたがる。
 上半身の鎧が少し物足りないが、動きやすさを考えればこんなものなんだろう。
 夫婦への礼もそこそこに馬を走らせた。

 やがて女学校へ着く。
 近代的な風景である。
 今日は戦の体制でくることになっていたのに。
 おかしい。人がいない。

 いつもの廊下も馬で歩くので、天井が近い。
 もしかすると、馬で来るのを見つかったら、まずいかもしれない。
 一番奥の自分のクラスへと着いた。
 ふと見ると、馬具が柱にかけてある。
 外に出ると、一匹の裸馬がいた。
 この子も解放してあげないといけない、そう思って馬をおり、馬具の紐を外す。
 こんな女学校の人間が戦に出て、どうして敵を倒せるものか。無駄な死になるのではないか。
 そんなことを考えながら、太い馬具の紐を緩めていた。

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